東京・亀有の蕎麦屋「吟八亭 やざ和(ぎんぱちてい やざわ)」に行ってきました。
JR常磐線「亀有」より徒歩7分ほど
漫画「こち亀」でお馴染みの亀有へ。
ちなみに「亀有公園前派出所」は実際には存在せず、架空の交番らしい。
閑静な住宅街に突然姿を現す名店
お世話になっている某百貨店のスタッフさんより「竹やぶ系なら、やざ和が良いですよ~」とのご通達をいただき、東京にいるタイミングで突撃してきました。
こだわりの美食空間へ
1976年(昭和51年)創業の老舗蕎麦屋。
ちなみに、店名は矢沢永吉さんに因んだものではなく、店主の名前に由来。
階段で2階へどうぞ。
こちらの階段の壁は「漆喰」と「蕎麦の実」を混ぜて作った塗料を、店主自らが塗って仕上げたというロックンロールっぷり。
2階には待合いスペース。
さすがに平日のオープン直後のため、待ち時間はありませんでした。
伝説の名店・柏「竹やぶ」の系譜
店主の矢澤登志和(ヤザワ・トシカズ)氏は、国内最高峰の蕎麦屋として知られる名店「竹やぶ(1966年創業)」で修業を積み、1976年に独立。
数ある「竹やぶ」系の中でも、かなり古株の部類に入ります。
「ミシュランガイド東京2021」にてビブグルマン選出。
2016年から5年連続でランクイン、全国の蕎麦好きでその名を知らぬ者はいない名店です。
20食限定の「田舎せいろ」
待合スペースの脇には、石臼が鎮座。
電動は熱で香りを損なうとのことから、店主自ら手作業で実を挽きます。
手挽き「田舎せいろ」は1日限定20食。
いざ入店
メニューが渋い。
11:40ごろに入店しましたが、店内は8割ほど埋まっていて、人気の高さが伺えます。
迷わず「田舎せいろ」をチョイス。
女将さん曰く「まだありますよ~」とのことでひと安心。
蕎麦前(そばまえ)として「酒のつきあい」からオーダーするのが粋な江戸っ子というもの。
酒のつきあい3種から
ゆばさし(650円)
超ミルキーで濃厚。
何も付けずにプレーンで食べても、しっかり素材の甘みがあります。わさび醤油もまた一興。
玉子焼(900円)
うんめぇ!なにこれ!
お出汁がしっかりと効いており、甘くない仕上げがめっちゃ好みです。
鴨焼き(1,300円)
ジューシーな鴨肉に、白ねぎ、パプリカ、獅子唐を添えて。
この濃厚な脂、おわかりいただけますでしょうか。
隣のパプリカも狂喜乱舞してます。
「やざ和」の真骨頂へ
そばがき(1,400円)
そばがき(蕎麦掻き)とは、蕎麦粉を熱湯でこねて餅状にした食べ物。
蕎麦粉を使ったクラシックな料理であり、江戸中期に麺状の「そば切り」が生まれるまで、むしろこちらの「そばがき」がポピュラーでした。
同じく、竹やぶ系の名店「玉笑(たまわらい)」とは一線を画す、真っ白でトロットロのテクスチャー。
取り分けて、つゆを少量かけていただきます。
なんてナチュラルで濃厚な味わい。これはマスト・イートです。
手挽き田舎せいろ(1,000円)
本日のメインが着丼。
やや太めで、挽きぐるみらしい蕎麦殻がチラホラと見えます。
田舎の野性味と、洗練された上品さが同居した傑作。
コシは無くとも、のど越しは良く、このザラつきと香りは唯一無二だと思います。
蕎麦湯でファイナルアプローチ
しっかりと甘みがあり、鰹出汁の豊かな風味が特徴の蕎麦つゆ。
蕎麦湯で最後まで楽しみましょう。
2煎目(?)は蕎麦湯単品でもイケちゃう美味しさ。
結構なお点前でございました。
蕎麦こそ江戸文化の粋
2人以上で行って「酒のつきあい」から楽しむのがおすすめ。
東京駅から電車で30分以上かかりますが、このために亀有に降り立っても損はないでしょう。
こけしが8体。
昭和18年8月8日生まれの矢澤さんは、とにかく、「八」が大好きだそう。もちろん蕎麦も「十割」ではなく「二八」です。
【営業時間】
昼:11:30~15:00(L.O.14:30)
夜:17:00~20:00(L.O.19:30)
*日曜はランチのみ。
今回ご紹介したお店
店名 | 吟八亭 やざ和(ぎんぱちてい やざわ) |
住所 | 東京都葛飾区亀有1-27-8 |
エリア | 亀有 |
定休日 | 水曜・木曜 |
アクセス | JR常磐線「亀有」より徒歩7分 |
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