2018年に引き続き、京都精華大学にて、特別講師として授業をさせていただきました。
写真左から、
- マジシャンのジョニオ(@BonJonio)
- 講師の西本裕樹先生(@yukinishimoto)
- ジャグラーの酒田しんご(@jugglershingo)
です。
京都精華大学とは
京都精華大学は、日本で初めてマンガ学部を設置した大学として有名で、クリエイターを目指す学生さん達が多数在籍しています。
「発展ことば演習 / パフォーミングアート論特講」
パフォーマンスを通しての表現テクニックや創造的思考、スペシャリティの作り方について、ワークショップを交えた2コマの授業を行いました。
自己紹介を兼ねて、ボールジャグリングのデモンストレーション。
ジョニオによる、カードマジックのデモンストレーション。
ノンバーバル・コミュニケーションを体験しよう
身体接触のみを用いた、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションを体験。
手のひらと背中の接触面の「圧」を用いて対話をするトレーニングです。
(参考:いいむろなおきマイムカンパニー)
マジックの3つの要素を分解して考えよう
マジックの手法と現象に対して、フィクションのストーリーを構築する演習。
「なぜその現象が起こるのか」に着目して、それぞれ自由な発想でプレゼンテーションを創造していきます。
2コマ目はパネルトーク
苦手なものはいくら努力しても、せいぜい「人並み」にしかならない
西本:自分のスペシャリティを見つけ出し、伸ばしていくために大切なことはーー…?
酒田:僕がジャグリングで学んだことの一つに「向いてないことは諦める」という理論があります。
ジャグリングは個人の骨格に大きく左右されるので、苦手なものはいくら努力しても、せいぜい「人並み」にしかなりません。
「人並み」なものには誰もお金を払いませんから、経済価値が生まれません。
つまり、後天的なスキルは最大の武器には成り得ないということです。
西本:得意なことを見つけるって難しいですよね。
酒田:生まれつき得意であればあるほど、本人にとっては出来て当たり前なので、気付くのが難しいんです。
「外的な経験」ではなく「内的な探求」にこそ、楽しい未来のヒントがあります。
周りはどんどん辞めていって、気付いたらブルーオーシャンを泳いでた、みたいな
ジョニオ:せっかく自分の得意なものを見つけても、途中で辞めてしまう人が多い。
チャレンジは誰でもできますが、継続することって案外できないんですね。
世界中のマジシャンに対して、「ヒゲのマジックと言えばジョニオ」というポジションを確立するために僕がやったのは、初めは白い目で見られても、とにかく続けるということ。
飛び込んだところはレッドオーシャンでも、5年、10年と続けていくうちに周りははどんどん辞めていって、気付いたらブルーオーシャンを泳いでた、みたいな。
仕事って本来、与えられるものではなく、作るものなんですよね
西本:プロのクリエイターを目指す学生にアドバイスはありますか?
酒田:仕事って本来、与えられるものではなく、作るものなんですよね。
ただ待っているだけでは仕事が来ないのは当たり前で、常に「自分から何か仕掛けていく」意識を心掛けています。
どれだけ好きなことでも、仕事がルーティン化すると、創造ではなく作業になってしまう
ジョニオ:「好きなことを仕事にしたら嫌いになるから止めておけ」と言う大人って多いと思います。
これは実際その通りで、どれだけ好きなことでも、仕事がルーティン化すると、創造ではなく作業になってしまい、ふとした瞬間に「めんどくさい」と思ってしまうんですね。
これを乗り越えるには、自分がワクワクしない仕事はお断りする余裕を持つこと。
そして、新しく生まれた時間で、セルフプロデュースのイベント企画であったり、自分の作品を自由に発表できるプラットフォームを作りましょう。
「壁は栄養」でしかないと思っています
西本:最後に学生の皆さんへメッセージをお願いします。
酒田:整ったレールの上であろうが、未開の獣道であろうが、あらゆる人生には困難の壁が立ちはだかります。
そこを乗り越えられるかどうかは、フィジカルよりもメンタルの部分が大切で、僕は「壁は栄養」でしかないと思っています。「よっしゃ壁が来た!」みたいな。
代わりの利く仕事をしてはいけない
ジョニオ:「ワンピース」は尾田栄一郎さんにしか描けないし、「スラムダンク」は井上雄彦さんにしか描けないわけです。
「誰でもいいからマジシャンを呼びたい」というオーダーと、「ジョニオのマジックが見たい」というオーダーでは、意味合いがまったく異なります。
「ここだけは負けない」という差別化要因を明確に打ち出し、顧客ロイヤルティを高めることで、競合との比較とは無縁になれます。
想いの詰まった感想文がたくさん
- 私もプロの音楽家を目指しているので、生の現場の意見を聞けて、世界が広がりました
- ジャグリングやマジックの技のひとつひとつが、たくさんの哲学に支えられている
- ヒゲはどうやったら伸びますか?
…etc
あっという間の3時間!
昨年よりも増えて、約50名の学生さんに受講していただきました。ありがとうございました。
未来のプロフェッショナルの皆様の鋭い発想に触れることができ、こちらも勉強になりました。
明日は特別授業。ジャグラーの酒田しんごさん @jugglershingo とマジシャンのジョニオ!さん @BonJonio をゲストに招いて、非言語コミュニケーションについて学びます!(写真は昨年のもの) pic.twitter.com/KQ6IBfuAeI
— セイカコミュアカ公式 (@kotobaensyu) January 18, 2019
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