日々、情報にまみれた生活を送る中で「これは人間の本来のデザインに反しているのではないか?」という問いを感じていたところ、高城剛氏のメルマガで納得する記述があったのでメモしておきます。
現代人の1日の情報量は平安時代の人々の一生分以上である
歳を重ねるごとに「もう1週間終わりか、もう1ヶ月終わりか、もう一年終わりか」と年々早く感じることを、「ジャネの法則」と言います。
(中略)さらには、情報総量が年々増え続けるのも年々時間を早く感じる大きな要因だと個人的には考えており、現代人が取得する1日の情報量は、平安時代の人々の一生分以上の情報量まで増大していますが、人間の脳は増えていません。これでは、年々早く感じて当然です。
つまり、「時間の流れをゆっくりと感じて人生を味わいたい」なら、情報摂取を大きく減らして代謝を落としてのんびり過ごせば、そのように感じるでしょう。
高城未来研究所「Future Report」Vol.665
「鳴くよウグイス平安京」ということで、今から約1200年前のお話。
平安時代の平均寿命が30歳(=約1万日)と仮定して、現代の情報量は約1万倍に増大していますが、人間のスペックは2倍にすらなっていないでしょう。
情報摂取を減らそう。和歌でも詠んで、お手玉で遊んで、強飯(こわいい)食って寝ようぜ。
脳の進化は時代のスピードに適応していない
文明の発達が速すぎたために、脳の進化はそのスピードに適応できていないのだ。過去一万年間に私たちを取り巻く世界はがらりと変化したというのに、私たちに搭載されているソフトウェアもハードウェア(つまり私たちの脳)も、マンモスが草を食(は)んでいた時代のままだ。
ロルフ・ドベリ『Think clearly』サンマーク出版
スイスの作家、ロルフ・ドベリ氏も同じ指摘をしています。
こちらは平安時代はおろか、そもそも旧石器時代から人間の脳は進化していない、と。
そりゃあ、考え方から生き方までバグが起こって当たり前でしょ?という話。
「何をインプットしないか」が重要である
現代の社会は情報がオーバーフローしている状態になっていますから、知的生産システムのボトルネックは「インプットの量」ではなく、「インプットの密度」にあります。
(中略)そして「情報の密度」を高い水準に保つには、いかにして「情報を遮断するか」という点がポイントになってきます。
山口 周『知的戦闘力を高める 独学の技法』ダイヤモンド社
日本を代表する外資系コンサルタント・山口周氏のベストセラーより。
現代社会では「知らないと恥をかく」といったワードで人の焦燥感を煽るメディアにあふれていますが、自分の「知的戦闘力の向上」に寄与しない情報については、明確に遮断する必要があります。
(例:芸能人のゴシップ、インスタのストーリーなど)
アテンション・エコノミーが僕たちの注意力を叩き壊す
アテンション・エコノミーとは、人々のアテンション(注意・関心)に値段がつけられ、SNSなどのコンテンツ提供者がそれを奪い合っている状態のことだ。
(中略)テック企業はあの手この手でユーザーの注意を手に入れ、それを広告業者に打って儲けを出している。
オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』かんき出版
本当に深刻なのは、アテンション・エコノミーが僕たちの注意力を叩き壊し、限りある時間を有意義に使おうという努力さえも徹底的に損なってしまうことだ。
オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』かんき出版
SNSは便利なツールではなく、「ユーザーの意識を乗っ取る巨大な機械」だと思っておいた方が良いでしょう。
人生たった4000週間。限りある時間を使うために、インターネットのドーパミン中毒から脱却しましょう。
まとめ
極論ですが、平安時代の人々の暮らしを考慮すれば「半径50m以内で起こっていること」にだけ集中すれば、それだけで十分なんじゃないかと考える今日この頃です。
楽しい人生に、情報なんていらない。
ちなみに、Xのスマホアプリは消して、インスタグラムはログアウトして、「Yahoo!ニュース」は一切見なくなりました。