「好きなものと似合うものは時々乖離する」という話

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@United Bar Danang

YUKIさんのアルバム『SLITS』のインタビューで興味深いセンテンスを見つけたので記録しておきます。

この記事の著者
酒田しんご

プロジャグラー。
「7ボールジャグリング」の公式日本記録を保持。京都にてロングラン公演中のノンバーバルシアター『ギア-GEAR-』レギュラーキャスト。

好きなものと似合うものは時々乖離する

たとえば私も、「YUKIのこういうところが好きだ」「こういう音域のYUKIの歌を聴きたいんだ」というのは、自分ではわからないところも多いんです。だから今回は、そういう意見も聞いてみて、やらずにNGにするのではなくて、やってみて、どうしてもできないものはやらない、というふうにしてみたんです。

YUKI『SLITS』SPECIAL PAGE – yukiweb.net

私、自分で好きだなと思う曲、自分が歌っていてこっちに行きたいなと思うメロディが、実はあまりポップではないと思うんです。好きなものと似合うものというのは時々乖離するんですよね。自分だけで、こういうことを歌いたいとか、それだけになってしまうことも、それはそれでもちろん凝縮されていていいとは思うんですけどね。

YUKI『SLITS』SPECIAL PAGE – yukiweb.net

キャリア30年を超えてなお、ファンを裏切ることのない作品をリリースし続ける秘訣は、この「冷静な客観視」と「バランス感覚」なんだろうなと。

「好きなことを仕事にしよう」は罠である

ここからは私の持論だが、「好きなことを仕事にしよう」という巷にあふれるワードには警笛を鳴らしたい。

もちろん、趣味なら好きなことをすることが一番だが、プロの仕事となると市場経済における熾烈な競争を避けて語ることができない。

仕事選びに関して、私の考えを簡潔にまとめると、

  • 好きなもの
  • 似合うもの
  • 得意なもの

この3要素がすべて満たされた分野にコミットするのがプロフェッショナルであり、この見極め(=冷静な客観視)を誤り、ただ「自分の好き」を押し付けるだけでは、いくら努力しても三流止まりだと思う。

つまり、「好きなことを仕事にしよう」ではなく、「好きで、似合って、得意なことを仕事にしよう」の方が芯を食っている。

「好きだから得意」や「似合うから好き」など、お互いに3要素が関連してはいるものの、それぞれが必要条件でも十分条件でもない点に注意されたい。

アーティストは努力じゃなくて才能を売る者だ

5曲目の『にげろ』でも少し触れているんですが、努力とは辛い事を我慢する事では決して無いと思うんです。

MAKI THE MAGICさんが昔『アーティストは努力じゃなくて才能を売る者だ』と仰ってて、僕のモットーの一つでもあります。

『一生懸命作ったらしいから買ってあげようかな』では駄目なんです。

MC松島「よわいにく」発売前インタビュー | YOFKASHI

「絶対に頑張らない」を公言しているMC松島さんのインタビュー。

ここでいう「才能」とは、YUKIさんのいう「似合うもの」も多分に含まれた概念だと解釈しています。

まとめ

人生において、自分の「好き」を追求するのはひとつの真理ですが、プロフェッショナルの仕事においては「本当に自分に似合っているのか?」という問いは重要だと思います。

この冷静な客観視や、時には人の意見を聞ける素直さこそが、「センス」と呼ばれるものかもしれない。

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