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能楽師ワキ方高安流。
京都大学大学院の博士課程を修了後、京都能楽界で活躍する有松遼一さん。
アメリカ、フランス、ロシア、ブルガリア、マレーシア…etc、海外公演も多数。
「踏み込んだ話はしない」がテーマの対談企画、第3弾です。
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「幕が上がったときには、すでに終わっている」という美学
酒田:舞台に立つにあたって、心がけていることはありますか?
有松:「幕が上がったときには、すでに終わっている」という美学を心がけています。
酒田:と言うとーー…?
有松:僕らの世界では、日頃の稽古や準備に加えて、楽屋働き(がくやばたらき)が重要とされています。
酒田:楽屋働きとは何でしょうか?
有松:装束の用意や、着付け、食事の用意など、能楽師はすべての仕事を自分でします。
能は指揮者がいないので、共演者の微細なシグナルを受け取る力が必要です。これらを舞台裏での稽古や楽屋働きによって鍛えるわけです。
いわゆる「空気が読めない人」は舞台には立てません。
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セリフを「音」ではなく、バーチャルな紙をめくる「映像」として覚えています
酒田:失礼なご質問ですが、本番でセリフ(謡:うたい)を忘れることはないんですか?
有松:滅多にないことではありますが、僕らの世界では「絶句」と言って、起こり得ます。
酒田:その場合の対処法は?
有松:とにかく「止めないこと」が最重要です。万が一、どうしても窮したときには、何かしらのセリフを即興で謡い続けます。
稽古で絶対に詰まらない箇所に限って、本番になると頭が真っ白になってしまうことがあるんですよね。
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酒田:舞台上で想定外のエラーが起こるのは、ジャグリングも同じです。
有松:たとえ忘れても、手がかりが見つかるように、セリフを「音」ではなく、バーチャルな紙をめくる「映像」として覚えています。この方法論は人それぞれですが。
酒田:ということは、有松さん、もしかして左利きですか?
有松:いえ、右利きのAB型です。
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サーティワンの無限感に惹かれます
酒田:好きな食べ物を教えてください。
有松:サーティワンアイスクリームの「ジャモカアーモンドファッジ」です。
2種の豆をドリップした濃い目のコーヒーアイスクリームに、チョコレートとアーモンドが絶妙にマッチしています。
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酒田:では、ダブルにするなら?
有松:「チョコミント」でしょう。
酒田:トリプルならーー…?
有松:「チョコチップ」ですね。
小学校時代の夢は、アイスクリーム屋さんでした。サーティワンの無限感に惹かれたんですね。大学で京都に来て、初めて1人暮らしをしたとき、まず最初にアイスクリームをすくうディッシャーを買ったほどです。
酒田:(笑)
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自分自身が精神的に制約されるものは作らない
酒田:グルニエ・ドールの「リンツァートルテ」は絶品ですね。プライベートでの日課はありますか?
有松:雑誌『VOGUE』の「しいたけ占い」をチェックしていましたが、最近は止めました。自分自身が精神的に制約されるものは、できるだけ作らないようにしています。
酒田:しいたけに左右されない人生がいいですよね。
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能楽師ワキ方高安流。谷田宗二朗師・飯冨雅介師に師事。
公益社団法人能楽協会会員。京都大学文学部卒業、同大学院博士課程(国文学)研究指導認定退学。同志社女子大学非常勤講師。
京都を中心に、大阪・東京・名古屋・九州・北海道など、数々の舞台に出演。海外公演や子どもたちへのワークショップ・学校公演にも多数参加。大学の講義では能楽や和歌など古典の魅力を伝える。能が現代に生きる芸能・舞台芸術であることを問い続ける。
Web:http://arimatsu-noh.com/
Twitter:@arimatsu_noh
Instagram:@arimatsu_noh
撮影させていただいたお店
店名 | サロン・ド・テ オ・グルニエ・ドール |
住所 | 京都市中京区堺町通錦小路上ル菊屋町519-1 |
エリア | 四条烏丸 |
アクセス | 阪急京都線「烏丸」より徒歩3分 |
食べログ | 表示する(外部サイト) |
※2018年5月31日閉店
初著書がついに完成です!コロナ下に書き溜めた随筆、朝日新聞の連載コラム、配信公演の鼎談や写真、内田樹・原田マハほかの寄稿も豪華。シンプルで深みのある仮フランス製も素敵な本です。
— 有松 遼一 能楽師ワキ方 (@arimatsu_noh) March 3, 2022
早速販売をスタートしました。直筆サイン本もあります。
◎ 販売サイト「有文舎」https://t.co/AxR99fcLZv pic.twitter.com/6RF81nILLM
Text & Photo by 酒田しんご(@jugglershingo)