勝間和代さんの著書『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読みました。
「アーサー・アンダーセン」「マッキンゼー」「JPモルガン」を経て、経済評論家として独立した勝間和代さんによる2007年の著書。
当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得した後、21歳で長女を出産し、フルタイムで外資系企業で働きながら、中小企業診断士やMBAなどの資格取得も実現した、時間管理の方法(=時間投資法)を科学的に解説した良書です。
まずは「やること」を減らそう
何度言っても言いすぎることはないと思いますので繰り返しますが、時間管理でもっとも大切なのは「やることを効率化すること」ではなく「やらないことを決めること」です。
『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』
本書で一貫して言っていることは「やることを減らしましょう」ということ。
どうしても私たちは今の自分を正当化して、新しいことには積極的になれても、「今やっていることをやめる」ことには消極的になりがちです。
しかし、投資対効果を考えた場合、「不必要なことをやめる」というのが、時間を生み出すのに一番効率の良い方法だと勝間さんは言います。
必要以上に「いい人」にならない
三番目の原則として強調したいのは、必要以上に「いい人」でいることはコストになる、ということです。
『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』
時間管理がしっかりしている人には、実はそんなに「いい人」はいないことにお気づきでしょうか?なぜなら、人にいい顔をするということは、自分の時間をどんどんたかられてしまうということだからです。
つまり、必要以上に悪人になる必要はありませんが、自分が使う時間に対して明確な報酬が得られないと判断したときには断る勇気を持とう、ということです。
自分の時間を大事にする人たちは自然と、周りの友人関係もそういう人が集まってきますし、逆に自分の時間を浪費する人には、どんどんそういう人が近づいてきてしまいます。
「いろいろなことを断ることで、はじめて好循環が生まれる」ということを忘れてはいけません。
スケジュールはゆったりわがままに設定する
時間管理に慣れていない人にありがちな失敗が、「スケジュールをパンパンに埋めてしまうこと」です。
『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』
意外かもしれませんが、長期にわたり安定した成果を出している人は、スケジュールがゆるいものです。パンパンなスケジュールで、すごい成果を出し続けている人というのは聞いたことがありません。
もちろん、分刻みのスケジュールで活躍する人もいますが、その場合、自分に投資する余裕がないので、長期間は活躍できません。
ピンクレディーの活動期間はわずか4年半、全盛期はたった2年でした。
しかし、サザンオールスターズや松任谷由実など、息の長いアーティストたちは、ゆったりとしたスケジュールでしか楽曲のリリースをしません。彼らは、しっかりと自分に投資しながら、新しい分野を開拓し続けているのです。
まとめ
一般社団法人changes代表理事の尼崎真実さん(@mamicco.changes)のおすすめで購入。(Kindle版がないので、久しぶりに紙の本を買いました。)
日々、目の前のタスクに追われて、自分への投資の時間がないことがフラストレーションになっていたので、読んで大正解。
巷にあふれる抽象論・根性論ではなく、より少ない時間で成果を出すための具体的な「仕組み化」に目からウロコでした。おすすめです。