「頑張ってるのに上達しない」
ジャグラーに限らず、スポーツや趣味に取り組む中で、誰もが直面する悩みでしょう。
以下の動画が、少しでもヒントになれば幸いです。
Anthony Gatto – British Juggling Convention 2000
誰もが認める世界一のジャグラー、アンソニー・ガット(Anthony Gatto, 米, 1973-)の練習の様子を収めた貴重なビデオです。
ジャグリングの近代史において、最重要資料といっても過言ではないでしょう。
ハイライト
着眼点
注目すべきは、その練習効率の良さです。
わずか1時間38分のセッションで、計90近く※もの技を試み、その9割を成功させ、それほど疲れた様子も無く、全ての練習メニューを終えています。
※1つの技にこだわり、何時間も反復練習するジャグラーが多い中、これは驚異的な数字です。
彼はかつて一度も1日10時間練習をしたことはなく、基本的な練習に費やす時間は最大でわずか2時間だと言います。
トレーナーの存在
ビデオの中で画面左側にいるのは、スポーツトレーナーであり、父親のニック・ガット(Nick Gatto)です。
ドロップ(落下)した道具を拾うとき、本人が無駄なエネルギーと時間を使わないように、「阿吽の呼吸」でフォローするのが印象的です。
ニック・ガットの練習メソッド
- 365日毎日、1時間の練習をする。
- 同じ技を2~3分以上は練習しない。
- 1回成功したらやめて、次に移る。
- 何かがうまく行かなかったら、そこでやめて次に移る。
- 筋肉を疲れさせないように、頻繁に道具、スタイル、テクニックを変える。
- パターンが崩れるまで投げず、最後に綺麗にキャッチして終わる。
- ドロップの技術を高めたいわけでないのであれば、練習においてドロップばかりしない。
出典:Juggling Information Service – Anthony Gatto and Practicing
何を練習すべきか
上記の理論で考えると、2~3分のトライで出来ない技は練習すべきではない、と言えます。
つまり、成功率5割以上、8割未満の技を重点的に練習するのが効果的です。
段階を踏まず、いきなり難しい技に挑戦するのはやめましょう。
まとめ
「失敗は成功の元」とは言っても、失敗ばかりしていては、ただ悪い癖が付いてしまうのみです。
最小限の失敗から、どれだけ多くを学び、最短距離で成功に導くかが重要です。
何事も自分のスタイルで練習するのが一番ですが、スキルの停滞期が訪れたときには、参考にしてみてはいかがでしょうか。
戻って来ると思っていたけど、もうラヌーバのステージでアンソニー・ガトーのショーを見れないのか。筋金入りのプロフェッショナルで、見習うべきところがたくさんあったから残念だ
— 船木勇佑 (@YusukeFUNAKI) December 17, 2013
アンソニー・ガトーのようなビッグネームと3年半一緒のステージに立った、というのも確かに大きな収穫だけど、彼の日々の取り組む姿勢を間近で見られたことが一番の収穫
— 船木勇佑 (@YusukeFUNAKI) December 17, 2013
あの姿勢は、僕なんかじゃなくて、彼を慕って尊敬するジャグラーやサーカスパフォーマーに見せたかった
— 船木勇佑 (@YusukeFUNAKI) December 17, 2013