ジャグリングの話

世界一のジャグラーに学ぶ上達のコツ

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「頑張ってるのに上達しない」

ジャグラーに限らず、スポーツや趣味に取り組む中で、誰もが直面する悩みでしょう。
以下の動画が、少しでもヒントになれば幸いです。

この記事の著者
酒田しんご

プロジャグラー。
「7ボールジャグリング」の公式日本記録を保持。京都にてロングラン公演中のノンバーバルシアター『ギア-GEAR-』レギュラーキャスト。

Anthony Gatto – British Juggling Convention 2000

誰もが認める世界一のジャグラー、アンソニー・ガット(Anthony Gatto, 米, 1973-)の練習の様子を収めた貴重なビデオです。

ジャグリングの近代史において、最重要資料といっても過言ではないでしょう。

ハイライト

  • 1:00:37 12枚のリングジャグリング(当時の世界記録)
  • 1:31:35 7本のクラブジャグリング → ギャラリー総立ち!

着眼点

注目すべきは、その練習効率の良さです。

わずか1時間38分のセッションで、計90近くもの技を試み、その9割を成功させ、それほど疲れた様子も無く、全ての練習メニューを終えています。

※1つの技にこだわり、何時間も反復練習するジャグラーが多い中、これは驚異的な数字です。

彼はかつて一度も1日10時間練習をしたことはなく、基本的な練習に費やす時間は最大でわずか2時間だと言います。

トレーナーの存在

ビデオの中で画面左側にいるのは、スポーツトレーナーであり、父親のニック・ガット(Nick Gatto)です。
ドロップ(落下)した道具を拾うとき、本人が無駄なエネルギーと時間を使わないように、「阿吽の呼吸」でフォローするのが印象的です。

ニック・ガットの練習メソッド

  • 365日毎日、1時間の練習をする。
  • 同じ技を2~3分以上は練習しない。
  • 1回成功したらやめて、次に移る。
  • 何かがうまく行かなかったら、そこでやめて次に移る。
  • 筋肉を疲れさせないように、頻繁に道具、スタイル、テクニックを変える。
  • パターンが崩れるまで投げず、最後に綺麗にキャッチして終わる。
  • ドロップの技術を高めたいわけでないのであれば、練習においてドロップばかりしない。

出典:Juggling Information ServiceAnthony Gatto and Practicing

何を練習すべきか

上記の理論で考えると、2~3分のトライで出来ない技は練習すべきではない、と言えます。
つまり、成功率5割以上、8割未満の技を重点的に練習するのが効果的です。

段階を踏まず、いきなり難しい技に挑戦するのはやめましょう。

まとめ

「失敗は成功の元」とは言っても、失敗ばかりしていては、ただ悪い癖が付いてしまうのみです。
最小限の失敗から、どれだけ多くを学び、最短距離で成功に導くかが重要です。

何事も自分のスタイルで練習するのが一番ですが、スキルの停滞期が訪れたときには、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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